鉱山がかなりの遠隔地に位置しているので、Heathgate Resourcesは、これまでマイクロ波リンクと衛星通信を用いたネットワーク環境で運用しており、冗長性のある通信手段としては最大2Mb/sの回線しか利用できない状態でした。この制限により、接続の利用範囲が大きく制限されており、通信障害が発生した際には、安全対策や操業関連のサービスに限った利用しかできませんでした。
同社は、業務上のあらゆるニーズに対応できるだけでなく、従業員が休憩時間に家族や友人と連絡を取るためのプライベートな接続利用も可能にする、ネットワークインフラへの投資を検討していました。
オーストラリアのPeplink正規ディストリビューターであるM2M Connectivity社は、MIMP Connecting Solutions社およびVocus社と連携し、Heathgate Resources社に対して他に類を見ないソリューションを提供しました。採掘現場には、ネットワークインフラの中核としてEPXが導入され、これに接続する形で8基のStarlink端末が戦略的に配置されました。
MIMP社は、現地にFusionHubを設置し、これとEPXの間にSpeedFusionトンネルを構築しました。Vocus Satellite社 – Starlinkサービスと連携することで、SpeedFusionのボンディング機能が有効化され、ネットワーク内に冗長性が確保されました。
「これは、オーストラリアの通信環境における大きな転換点です。複数の回線種別を一つにまとめ、あたかも一つのインターネット接続としてお客様に提供することで、すべての帯域を同時に活用できるようになります。 この仕組みは、オーストラリアのどこでも利用可能で、地上の固定設置はもちろん、移動中の車両でも同様に優れた性能を発揮します。」
Ashley Grove氏 Vocus社 衛星開発マネージャー
ボンディング構成により、下り最大1.3Gbps/上り最大250Mbpsの通信速度を実現しました。このネットワーク環境により、Heathgate Resources社は250人を超える作業員に、余暇時間でも快適に利用できる十分な帯域と通信速度を提供できるようになりました。
設置から1か月後、隣接する国立公園で火災が発生し、Heathgate Resources社がそれまで主な通信手段として使用していたマイクロ波通信塔が損傷を受けました。それにもかかわらず、導入された新しいインフラのおかげで採掘現場への影響は最小限に抑えられ、通信の断絶は一切発生しませんでした。
「以前は、冗長通信手段として2Mb/sの衛星回線しか利用できず、障害時には安全対策や操業に必要な最低限の通信に限られていました。現在は、Vocus Satellite – Starlinkのボンディングサービスにより状況が大きく改善され、予期せぬ事態が発生しても採掘現場の運用を継続できる体制が整いました。」
Hugh Banister氏 Heathgate Resources社 最高情報責任者(CIO)